PCオーディオとCUDA


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あけましておめでとうございます
ある年齢から正月の特別加減はずいぶんと少なくなりましたが
今年なにか違います、こんなに新年に対して緊張するのは珍しいです

SUPERMICRO日本代理店のサンウェイ小川さんから来年のカレンダーを頂いたのですが
一月はGPUでした

これだと分かりにくいですが1月の写真は1UラックにTeslaが入ってます
パンフレットから分かりやすい1月と3月の写真が掲載されたページを見ると

なんか、今更ながらに衝撃でした
遂に始まったんだなと・・・

何か示唆がある気がしてページをめくると

次世代オーバー10Gネットワークアダプタ

2.5インチ・そのままSSDもさせそうなネットワークストレージ

つまり
1.GPGPU
2.10GbitオーバーNIC
3.2.5インチ・SSD対応超高速NAS
この3つの足並みが揃うと大変な事が可能になる

分かりやすいところでは演算というコンピュータの核がCPUからGPUに代わる
GPUはCPUと比べてSLIのごとく物理的に枚数を容易に増やせる
複数枚のGPUを用れば一気に演算能力が10〜1000倍くらいはね上がる

それを10Gbitオーバーのネットワークが支え
HDDとSSDコンパチブルな2.5インチアレイ超高速ストレージがまとめる

SUPERMICROのNICは光なので40Gbpsもある
つまり一秒に4Gbyteもやり取り出来る計算だが
実際にはintelのイーサ互換10Gbitが普及するでしょう
今の設備に容易に入れるからそれが望ましい
10Gでも一秒に1Gbyteも送れる(TCPIPとかのオーバーヘッドでここまではいかないが)
1Gbyte/秒とは16台のHDDをRAID0で組んでやっと可能になるほどのものすごい速度だ
それを10本巧く使えば10Gbyte送れるとなるともうPCのバスと変わらない
SSDを24台RAIDで組めばやはり10Gbyte/秒くらいやり取りできるだろう

つまりLANでCPUとGPUとストレージを分散出来る時代が来た
そしてキーボードやプログラムの順序を制御するのはCPUだが演算はGPUでやる
つまりCPUはI/O処理が主な仕事になる訳だ


こんな事は8800GTXが出た当時から予感されていた事だが
SUPERMICROの巻頭ページにCUDAが掲載されるというのは
現実に需要と注目が高まっていると考えて間違いない

今年はAdobeやAutoDeskなトップアプリケーションベンダーがCUDAにネイティブ対応してくる
ゲーム以外でRadeonを選ぶ理由は無い、またFermiを待つ必要もない
殆どのアプリはG200を基本にCUDA対応を進める
正確に言うと大量に存在するGTX295/285/275/280/260/QuadroFX5800/4800/CXのユーザーを無視できるわけがない
intelに変わってPC界の王者になりたいNVIDIAにとってはG200を使っている顧客は最大の武器になるのだから
個人的にはGTX275かQuadroFX4800を勧めるが、GT210以上である事は必須、オンボードグラフィックはOffice専用だ

CPUには春に出る『Gulftown』という最後の武器があり注目もしているが
これは、むしろDualXEONのマーケットを食うことになると予想する
現在の16スレッドでも使いきれていないから
『Gulftown』の12スレッドはちょうどいい
メモリも8GDIMM x 6 = 48Gbyteあれば大抵は間に合うだろう

しかし32nmプロセスということもあり楽しみにしている
現在920/975を使用しているマシンは差し替えるだけで使えるので
もし良い性能を出せた時はアップグレードします
新規の方も920つまりLGA1366の構成で購入頂ければ
『Gulftown』発売後にアップグレードいたします
920と『Gulftown』ではCPUの価格が10万円以上違うので
とにかくは920を4.2GHzで使えるようにしたJUNSのPCを使っておいてください
そうすれば将来の最高速も約束出来ます

世間では860などLGA1156の方が920等LGA1366より高性能と思っておられる方がいる様ですが
LAG1366はメモリ3chでXEONと全く同じサーバー用CPUです
コンシューマー向けに設計されたメモリ2ch+グラフィック内蔵の低価格を目標に作られた
LGA1156とは始まりから異なります、高性能を求められる場合はLGA1366、省電力とかはLGA1156
そんな感じです


さてそんなサーバーやワークステーションの最先端はどのように一般に下りてくるのか
先ずCUDAは必ず必須になります、思いもよらないアプリがCUDAを使用して
今まで考えも出来なかった機能や速度を可能にしてくるでしょう

10Gbitイーサや超高速NAS
その前にUSB3.0があるし
何よりWindows7のMediaCenterが普及する方が先です
MediaCenterはあまり良いイメージを持たれていませんが
多分iTuneつまりAppleはかなり脅威を感じていると思います

MediaCenterにはiTuneが苦手な動画や写真の管理機能があり
しかも世界の殆どのPCにプリインストールされています
原理的にはiPodをMediaCenterで使う事はなにも難しくありません
iTuneの音楽ライブラリィをMediaCenterにコピーするのなんて一瞬
なにしろ動画と違って音楽は100Gbyteくらいで数千曲収まるから
一生分の曲と言っても10Gイーサなら30秒でコピーできてしまうのです

2011年日本も完全デジタル放送になりますが
iTuneはそれと全く関係していない
しかしMediaCenterはそれを一気に引き受ける
DNLA/DHCP-IP規格の普及が始まった今
MediaCenterに対応しないチューナーやコンテンツを考える人はいないでしょう
とりあえずMediaCenterで録画なり音楽ライブラリィを作っておけば
家じゅう、いや世界中のパソコンやテレビで見れるようになるのですから
ここはiTuneはひっくり返っても勝てない

ところでJUNSはといえば
DAWから始まったクリエイターむけPC作りをより発展させ
CUDAをフル活用したビデオ編集や3Dレンダリングから流体力学計算マシンまで作り
そのノウハウをMediaCenterにぶつけます
つまり最高のWindows7マシンを世界で初めて作りたいのです

大袈裟な物言いですが、本当にWindows7は奥深いのです
けれど、その機能をちゃんと使っているPCなんて世界中見ても存在しない
それだけ難しいとも言えます

AppleiPodで復活したように音楽は衰退と言われながらも
永遠に無くなることのない太古から人間と共にあったものです
ハイビジョンやバーチャルな3Dはもちろん凄いけれど
音楽には比べるもののない深い人とのつながりがある



スピーカーと真空管と発熱灯、そしてPCとLED液晶とAD/DAコンバータ
それらが違和感なく共存する、いや積極的に補完し合う関係



Pure PC Audio を核にしていますが
ハイビジョンも3Dゲームもそつなくこなす3.8GHz-i7 PCです
それプラスFocalといったフランスのスピーカーと
ロシアや東欧で数十年も昔に作られた真空管による
優しい、澄んだ、音楽が加わる



もちろんJBL+マルチアンプによるリズムやスィングのある
JASSやRockなどもこなす
もう昔から何度もトライされてきたけれど
誰も達する事の出来なかった
あのPCを実現したいわけです

山中潤