仏像と著作権

観音像の頭すげ替え…地裁判決「仏師の著作権侵害、元の頭へ」
という不思議な見出しに驚く
東京地方裁判所がお寺の仏様の顔について判決を下すというのは情けない話だ
仏様の顔を著作権で裁かざるを得ないとは行き過ぎた大衆民主主義の馬鹿な権利意識の象徴のように思う

確かに運慶や快慶の仏像には前に立てば凍りついてしまうほどの眼光・威光があり
間違いなくあれは彼らの作った芸術作品であることに疑いは無く
国宝や重要文化財として完全な保護を必要とする程、原型を後世に残す義務がある
しかしそれは運慶や快慶の権利保護のためではなく国や人や未来にとってこの仏像が重要であるからだ

今回の裁判では問題の仏像を作った仏師は既に亡くなっていて
仏師の遺族とお寺のこれまた新しい住職との争いだという
詳しいことは何も知らないが
お寺も仏師側も仏の道に生きる人の行う様とは考えにくい

たぶん安易な権利の横行は人の心を狂わせるのだ
話題の日本をここまでアホにしてしまった世襲議員も権力が権利に変わったとき発生したウジの様な物だろうし
セクハラをカードに男を去勢破滅や二次元変態に追い込むヒステリックなフェミニズム
何でもかんでもクレームをつけることで自己の存在を成立させようとする永久子供人間
偉そうな事は言えないが義務の無い権利が巨大に膨らむ様には恐ろしさを感じる

もちろん年寄りや重度の障害者からさえ保険代を取るこの国でまともに考えろという方が無理かもしれない
『黙っていたら認めたとみなされる』なんて法律があるのだから『わめき散らす』事が防衛の基本だ
ああなるほど、将軍様もそういう考えだとすれば最近のイリュージョンな行動にも合点が来る
この問題は日本ローカルなものなどでなく地球温暖化と共に生まれた人類に転移する癌細胞なのか

Googleが存在する全書籍をデジタルアーカイブ化する件で『全米作家組合と全米出版社協会』と合意した
との報道を受け『日本文芸家協会日本ペンクラブ』が大騒ぎしているそうだが
『とにかくけん制することが第一』つまり『黙っていたら認めたとみなされる』的な感じがつまらない
Googleを批判する谷川俊太郎さん』なんて写真入で新聞が載せているが
一番嫌がっているのは新聞社やテレビであって作家や出版社はiTuneやAmazonの成功で
音楽や書籍/雑誌が生き残るのにはネットとのタイアップは避けられないと覚悟している

Googleは全書籍をアーカイブし既にスタートしているアース/ストリート/YouTube/プロフィール等と組み合わせ
自前のOSブラウザワンダーホイールを世界中の携帯電話に搭載させ地球の首根っこを掴む目論見なので
アメリカの身内であるイギリスや奴隷の日本/韓国以外、つまりフランス/ドイツ/ロシア/中国を筆頭に
中東や世界のあちこちからGoogleは排除の実力行使を強烈に受けることになるだろう
それはMicrosoftIBM/intelがかつて体験した程度のものではない

Googleの恐ろしいのは本気で世界を変えようとする思考と
実現させるかもしれない力を持っていそうなところだ
人類が何百年もかけてようやくまとめた法律や概念が変わる可能性がある
彼らの誇大妄想はヒトラー並で実現する可能性は第三帝国よりはるかに高い

今週のNewsWeekの特集でGoogleの創業者ともう一人がAppleの役員を務めていると知った
もしスティーブン・ジョブスに万が一のことがあればGoogleAppleを買うかもしれない
これはMicrosoftintelにとって良い話ではない
そういえばクリントン時代の副大統領『アル・ゴア』もAppleの役員だ
なんだか怖くなってきた

最初は一人ひとりの権利を過剰に認めるのは社会を後退させると書くつもりだったが
だからといって世界がGoogleに魂というか命を預けてしまうのは正直怖い
Googleが高い志を持った企業であることは知っているが
株式公開しているのだから志の無い者に買われてもおかしくないのだし

どうなるんだろうなんて妄想していたら
今日も空がしらばんで来た
昨日は二年ぶりに『エキゾチか姫』のライブに行くつもりだったのに
それも果たせなかった

世界のことなどより
自分の心配をしなければ

雨は嫌いだ
お願いだから晴れておくれよ