Windows7は遂にOSXを超えた!!


以前このブログで書いたYouTubeで2千400万ものアクセス記録を持つCotorichの写真集が届きました
特に期待していたわけではないけど想像を超える仕上げの低さに愕然とする
どこか安い印刷屋を探して形にすればいいんだという雑な精神がそのまま商品になっている
写真自体はせっかくいいものなのに安い紙に1色で刷るから湿度も空気も消えて素人の同人誌と化している
Cotorichが写真に記録しようとしたのは形でなくモノクロのトーンに秘められたその瞬間の気持ちだと思うが
それを伝えるには最低2色出来れば4色で刷らなければモノクロ写真として成立しない
紙もきめが細かくてインクを吸うタイプのものを選ばなければ深い黒も出ないし只で見れるWebにも勝てない
読み物なり情報なりを主にするならザラ紙でいいがWebに掲載している写真を本の形にするには印刷の意味が不可避だ
写真集なら例えばポッケットに入れて持ち歩けたりモニターでは実現できない様な巨大サイズだったり等Webでの不可能を実現しなければ
なんの工夫も無いうえに奥付も後書きもないような付録以下の冊子を送られるととても哀しい気持ちになる裏切られたとさえ思う
お客さんは技術として紙や印刷に詳しくなくても本には慣れ親しんでいるから手抜きは通用しない二度と買わないだろう
YouTube2400万アクセスから生まれた写真集なんて凄いチャンスだったのにあまりに初歩的な部分で全て台無しにしてしまったのが惜しい
まともなスタッフがいなかったのか他人が信じられなくて何もかも自分でやろうとしたのかあまりに残念な結果だ

並べるものでは無いかもしれないがNewiMacに僕は似た精神を感じる
どうせお客はネットとiLife程度しか使わないからパソコン部分は最低の性能で十分だ
売るということは欲しいと思ってもらうことだから誰にも分かりやすいビックリする程大きくて新しい液晶を派手に宣伝すればいい
iPodでの巨大な取引があるから韓国や台湾のメーカからは最高の条件で最新の液晶パネルを仕入れることができる
確かに立派なユーザーメリットには違いないモニター単体で見ても安くWindowsPCでもモニタとして使えて(?)おまけでMacも付いてくるのだから


ビル・ゲイツ最大の目標は世界中で走るソフトの全てをMicroSoft製にすることだった
同時にソフターソフトと銘打って増え続けるソフト需要をソフトを作るソフトを発明し解決しようと考えた
その前はマルチプランで実際使用したPコードのように全てのソフトをプロセッサに依存しない仮想マシン用に組もうとした
ビル・ゲイツは技術者というより商売人に区分されているがひたすらユーザメリットを追及したことは素晴らしい
世界中のPCでMicrosoftのOSやOffice/ブラウザが走るようになったことはインターネットが世界に広がる土台になった
JUNSの商売にしても圧倒的なWindowsのシェアによりPCのあらゆる部分が規格化されてなければ成り立っていない

しかしビル・ゲイツは成功することが恐ろしい量の欲や妬みに塗れたの訴訟と婚姻することだとは思ってもなかった
狂人では無い彼は裁判に明け暮れ人生を終えるより手にした富を盾に慈善家として過ごす方が賢いと決めた


ビル・ゲイツが挑戦した世界中のソフトをMicroSoft製にするという野望は
今、世界中の著作物や情報を全て掌握しようとするGoogleに受け継がれている

Googleの創業者がAppleの社外役員だったり積極的にオープンソースを進めるあたり一見MicroSoftとは逆に見えるが
あらゆる情報がGoogleの上にあることは世界の利益であるという帝国的な本能はアメリカ企業の伝統でApple等より遥かに古典的だ


MicroSoftGoogleは世界最大のライバルだという
現時点では競合する商品を殆ど持たず
商売の領域でも殆ど重ならない両社だが
互いを冷戦時代のソビエトアメリカのように意識している

将来MicroSoftGoogleの生死をかけた戦場となる分野
今は検索と広告分野のように言われているが
本命はメディアやインフラ事業になるに違いない

僕の仕事はその戦国の時を極東のちっぽけなパソコン屋がチャンスにどうやって変えるかを考える事だ

5年のスパンで考えても
Googleは既に僕らの商売にとってさえ最も大きな重力であり
MicroSoft/intel/NVIDIA/Amazonがその次にが来る
Appleは既にノキア任天堂もしくはSONYのエリアに本社を移転している

HPには秘めた底力があるがDellは看板のビジネスモデルが古くなり正念場を迎えた
AcerやLenoboといった台湾・中国企業はバブル速度で考える時間があるなら走れという勢いだ
日本企業では大阪湾に巨大な液晶/プラズマ/太陽電池工場を作るという命がけの賭けに出たシャープとパナソニック
そしてかつて世界を席巻した日本半導体・PCメーカーで唯一残った東芝そしてエルピーダが気になる

Windows7は流石ビル・ゲイツ最後のOSだけあり
これでもかというほどにあらゆる可能性が詰め込まれている
かつてMicroSoftの役員会ではビル・ゲイツが全ての役員に
MicroSoftが潰れるあらゆるシナリオを考えてみてくれ」
と宿題を出し
「私はそのシナリオを回避するあらゆるシナリオを考える」
とやり取りしていたというが
何故かWindows7にはそのエピソードを思い浮かばせるものがある
ビル・ゲイツの人間を感じさせる
不思議な不思議な魂がある

魂のあるWindowsなんて初めてのことだ
20年かかってやっとMicroSoftMacOS/OSXを超えたようだ

偉そうな物言いお許しください
山中潤